Before (改善前)

ステンレス板金加工においてコストダウンを実現するには、ステンレス材の調達コストを如何に下げるかということも重要になります。ステンレス材は鉄に比べるとどうしても調達コストがかかってしまい、それは板厚が厚くなればなるほど価格は上がります。更に、#400やHLなどの表面仕上げ品は通常の2B材などに比べると、研磨仕上げが予め施されている分、調達コストは高くなってしまいます。そのため、特に研磨仕上げ品を採用する場合、必要以上に厚い板厚の材料で設計を行うと、材料の調達コストがその分高くなり、製品のコストアップへとつながってしまいます。

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After (改善後)

ステンレス材の調達コストを低減するには、用途や使用環境などを鑑みて、適切な板厚の材料を選定することが重要です。例えば板厚t3.0mmのSUS304 #400だと参考価格として490円/kg程度になるところ、板厚t2.0mmで仕様上問題がないのであれば調達コストは420円/kgまで抑えることが可能です。このようにオーバースペックにならない、適切な板厚の選定が調達コストの低減、ひいては製品トータルでのコストダウンへとつながるのです。

POINT(要約)

ステンレス板金加工におけるコストダウンの切り口として、ステンレス鋼板の調達コスト低減が有効なものの1つとして挙げることができます。特に#400などの研磨仕上げ品は調達コストがかさむものとなりますので、オーバースペックな板厚を選定すると、それだけで製品コストへ大きくのしかかってきます。そのため設計段階から用途や使用環境に応じて適切な板厚のステンレス鋼板を選定することで製品トータルでのコストダウンが実現できます。