バレル研磨とは

 バレル研磨とは、ドラム状のバレル容器に製品(ワーク)、研磨石(メディア)、研磨材、研磨助剤(コンパウンド)、水を入れ、バレル容器に回転運動や振動を与えて研磨する加工法です。バレル容器が運動することで、製品と研磨石が擦れ合って、製品全体を摩擦によって研磨します。仕上げ面に影響するのは、主に製品自体と研磨石、コンパウンド、処理時間です。
 研磨石は、最終的な製品の仕様によって研磨石の形状が決定され、大きくて重い研磨石は丸みを帯びた表面を、小さくて軽い研磨石は平滑面を求めるときに適用されます。
 また、コンパウンドには製品と研磨石表面を洗浄し、腐食防止の役割もあります。製品の材質や求められる表面仕上げによって、正しいコンパウンドを選定する必要があります。

バレル研磨の種類

 バレル研磨には、主に流動式・回転式・遠心式・振動式の4種類があります。また、水を加えず固形物を加えるケースがありますが、その場合は乾式バレルといい、また媒材に水を加える場合は湿式バレルといいます。

名称

特徴

対象製品

作業時間

流動式

洗濯機のようにタンク底面の回転盤を回すことで流動させて研磨する方法。

小型から大型、少量から多量まで、幅広く対応

比較的短時間

回転式

ワークをタンクに入れて、タンク全体を一定方向に回転させてかき混ぜることで、ゆっくりと研磨する方法。構造が単純なため、メンテナンスが容易で、故障が少なく、安価で対応可能。

一度に対応できる量は少なめ。
中程度の大きさの製品に向いている。

数十分から数日間

遠心式

一つの機器に複数(通常4つ)のタンクがついており、それぞれのタンクが自転しつつ、全体的には公転する、観覧車のような構造。高速回転することで発生する遠心力によって内部を混ぜ合わせて研磨する方法。最も研磨力が強く、重切削から精密仕上げまで可能。一方、製品に打痕が残ったり、変形する可能性もあり。

一度に対応できるのは少量のみ。
小型製品に向いている。

短時間で処理できる

振動式

タンク全体を小刻みに振動させることで、タンク内部に流動層を作り出し、混ぜ合わせて衝突させることで研磨する方法。振動バレルには、ボックスタイプとサークルタイプがある。

製造品を投入する面積が広く、大量生産に向いている。
大きなものや長いものにも対応可能。
小型製品には不向き。

自動化ができる。
加工中にワークの状況確認が可能。

機械研磨をしにくい個所の研磨に最適な表面処理

 バレル研磨では、研磨材粒子は小さいため、段付きや複雑形状など、機械研磨をしにくい個所であっても仕上げが可能です。複雑形状で内部に手が入らず磨けないということもありません。また、バレル研磨は、工作物のバリ取り、R付け、表面仕上げを一括で行うことができる処理方法です。さらに、一度に多くのワークをセットできるため、比較的安価で行うことができる研磨方法です。
 一方、バレル研磨によって製品の端部が丸まってしまう、またバレル痕と呼ばれる微小なヘコミが発生することがあります。そのため、求められる製品仕様によって最適なバレル研磨の条件を設定する必要があり、また必要であれば別の表面処理方法を選択する必要もあります。
 
 当社では、バレル研磨にとどまらず、バフ研磨や電解研磨など多岐にわたる表面仕上げ処理の実績があります。バレル研磨やステンレスの表面仕上げでお困りの方は、お気軽にお問い合わせください。

 

ステンレス表面仕上げの基礎知識はこちら >>

当サイトの技術サービスはこちら >>

製品事例はこちら >>