Before (改善前)

角パイプを使用するよう設計しておくことは一見コストダウンにつながるように思えますが、実はケースバイケースで時には逆にコストアップにつながることもあります。その一例が流通性に欠けるサイズの角パイプの使用を指定した場合です。このような場合、調達に時間を要してしまいその分コストも上がってしまいます。更に特殊なサイズの角パイプは定尺での購入しかできない場合が多くなりますので、小ロットである場合は残材が発生してしまうことから、その分だけ更にコストアップにつながってしまいます。

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After (改善後)

ステンレス板金加工においてコストダウンを実現するには、材料の流通性にも配慮しておくことがポイントとなります。特に流通性に欠ける場合や特殊サイズを少量しか使わないロット数の場合は、角パイプではなく、曲げ加工を施したステンレス板金加工品へ置き換える形で設計しておくことでコストダウンを図ることができます。板金加工品へ置き換えることで、曲げ加工や溶接などの工数は発生しますが、リードタイムは短縮され、材料の調達コストも抑えられることから、トータルで見るとコストダウンにつながります。

POINT(要約)

ステンレス板金加工品の中でも、特にフレームなどを製作する際に、設計者としては角パイプを使用して設計しがちです。しかし角パイプはサイズの制約から調達が非常に難しいものも中にはあり、場合によってはコストが想定以上にかかってしまうケースもあります。そのような場合は曲げ加工と溶接を施した板金部品に置き換えて設計しておくことで、トータルで見た際のコストダウンを実現することができます。