Before (改善前)

ステンレス板金加工においてコストダウンを検討する観点の1つとして、作業性の良い溶接方法を採用するということが挙げられます。その1つにウエルドボルトからの置き換えが挙げられます。ウエルドボルトを取り付ける作業は、①ワークに穴あけ加工を行い、②裏からボルトを通して、③ボルトの頭を裏から溶接という3工程で行います。しかしこの手順だと、特に③の裏から溶接するという工程に非常に手間がかかってしまいます。その分だけリードタイムも長くなってしまい、製品コストも上がってしまいます。

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After (改善後)

そこで仕様上問題がない限りで、ウエルドボルトからスタッドボルトへと置き換えることで、作業工数の削減ができることからコストダウンを図ることができます。スタッドボルトを溶接で取り付ける際は、①ワークのボルト取付箇所にポンチで穴空けを行い、②表からスタッドボルトを通して、③スタッドボルトの先と①のポンチ穴を合わせて表から溶接するという工程を踏むこととなります。そのためポンチで穴をあけるなど工程数自体は変わりませんが、表から溶接ができる分作業性が向上し、リードタイムも短縮できることからコストダウンを図ることができます。

POINT(要約)

ステンレス板金加工においてコストダウンを実現するためには、作業性の良い溶接方法を採用するという観点は非常に重要です。その中でボルト溶接の場合だと、ワークの裏から溶接するよりも表から溶接するほうが作業性が良いと言えます。そのため、設計段階からウエルドボルトではなくスタッドボルトを採用しておくことで、溶接作業性を向上させてコストダウンへとつなげることができます。